うろこの家は、神戸で最初に公開された代表的な異人館で、国の登録有形文化財や兵庫県住宅百選にも指定されている伝統的な建築物です。
外国人のための高級借家として、明治後期に居留地に建てられ、大正に入ってから現在の場所へ移築されたと伝えられています。
最後の住人は、E・ハリヤー氏1953年から1968年まで、ここうろこの家で暮らしていました。
外国人設計者による木造2階建て切妻屋根、黒桟瓦葺き(※)の洋館。
天然石のスレートで覆われた建物の外壁が魚のうろこに似ていることから「うろこの家」と愛称で呼ばれ、親しまれています。
スレートとは、粘板岩と言われる堆積岩の一種で、日本では瓦や硯などに古くから使用されている天然石です。建物を覆うスレートの枚数は約4000枚とも言われています。
以前、中央の円筒形の塔部は、2階から螺旋階段で3階の塔屋へと続いていました。その展望室から貿易商は彼らの貨物を積んだ船の入出港をウォッチしていたそうです。神戸港を出港する船を見送りながら航海の安全を祈り、時には海の彼方の故郷へ思いを馳せたことでしょう。
客室や使用人室、サンルーム、陽射しを採り入れるために外に張り出したベイウィンドウ、暖炉が設けられているなど、異人館ならではの様式と意匠がほぼ完全な状態で保存されています。
※黒桟瓦葺き=平瓦と丸瓦を使った本瓦屋根に対して、桟瓦葺きは平瓦と丸瓦が一体となった日本の家屋の多くにみられる瓦葺
イギリスの名窯『ロイヤル・ウースター』、ドイツの古窯『マイセン』、デンマーク王室御用達磁器工房『ロイヤル・コペンハーゲン』、さらにフランスの古都リモージュにある伝統の陶磁器『ロバート・アヴィランド』などで造られた繊細で華麗な花瓶やお皿、カップ、人形などが展示されています。ロイヤル・コペンハーゲンのイヤー・プレートやフローラ・ダニカなどは、多くのファンによって愛され続けている逸品と言えるでしょう。
展望ギャラリーは、「うろこの家」の姉妹館として1982年に開館しました。ヨーロッパの近・現代絵画の名作を幅広く収集して展示しています。
特にトロワイヨン(バルビゾン派)の風景画の大作や、マチス、ユトリロ、ビュッフェら近・現代の人気画家の佳作を展示しています。神戸の街と港、はるか大阪港や淡路島まで広がる神戸・北野異人街随一の眺望とあわせて、お楽しみください。
住所: | 〒650-0002 神戸市中央区北野町2丁目20-4 |
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TEL: | 0120-888581 |